シャーロット・ランプリング

1946年2月5日生まれ。イングランド・エセックス州スターマー出身。父親のゴドフリー・ランプリングは軍人でオリンピックのメダリスト。母親は画家。幼少期に、父親の仕事の関係でイギリスとフランスの各地を転々とした為、語学が堪能。高校卒業後ハーロー工業大学で秘書課程をおさめ、ロンドンで秘書として働いていた時、モデルとしてスカウトされる。リチャード・レスター監督に見出され1965年『ナック』で映画デビュー。その翌年に公開された『ジョージ・カール』で変わり者の女性を演じ、次世代スターとして取り上げられる。その後ロンドンのロイヤル・コート・シアターで演技を学び、堪能な語学力を活かしてイタリアへ。巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督に見初められ、『地獄に堕ちた勇者ども』(69)に出演、退廃的な魅力を発揮し、世界中から注目の的となる。『愛の嵐』(73)では、裸にサスペンダー、ナチ帽をかぶった姿でバレエを踊るという衝撃的なシーンを披露した。以降はフランスやアメリカの作品にも出演作を重ねて国際的に活躍。1978年、モーリス・ジャールの息子で世界的シンセサイザー奏者のジャン=ミシェル・ジャールと結婚。3人の子供にも恵まれたが1996年に離婚。2000年代に入ると、フランスの鬼才フランソワ・オゾン監督の『まぼろし』(01)、『スイミング・プール』(03)に主演し、円熟した凄みのある演技で再び注目を集める。またアンドリュー・ヘイ監督『さざなみ』(15)では、初のアカデミー賞(R)主演女優賞ノミネートの快挙となった。ほか近年の出演作は『ブリューゲルの動く絵』(11)、『17歳』(13)、『リスボンに誘われて』(13)、『ベロニカとの記憶』(17)など。
[フィルモグラフィー]
1965年 ナック
1966年 ジョージ・ガール
1969年 地獄に堕ちた勇者ども
1973年 愛の嵐
1974年 蘭の肉体
1975年 さらば愛しき女よ
1977年 オルカ
1982年 評決
2002年 まぼろし
2003年 スイミング・プール
2006年 氷の微笑2
2007年 エンジェル
2008年 ある公爵夫人の生涯
2010年 わたしを離さないで
2011年 ブリューゲルの動く絵
メランコリア
2013年 17歳
リスボンに誘われて
2015年 さざなみ
2017年 ベロニカとの記憶
2018年 レッド・スパロー
アンドレ・ウィルム

1947 年4月29日、フランス、ストラスブール生まれ。70 年代後半より数々の舞台に立つ。ジェラール・ドパルデューが監督した「Le Tartuffe」から本格的に映画に出演するようになり、エティエンヌ・シャテリエ監督『人生は長く静かな河』(88)やパトリス・ルコント監督『仕立て屋の恋』(89)などで名を馳せる。1992 年に本作の前日譚といえるカウリスマキ監督の『ラヴィ・ド・ボエーム』にマルセル・マルクス役で出演、ヨーロッパ映画賞助演男優賞を受賞した。カウリスマキ作品では『レニングラード・カウボーイズ・モーゼに会う』、『白い花びら』でもその異邦人ぶりを発揮している。そして忘れがたき『ル・アーブルの靴みがき』(11)では、その奇跡のような物語で主役を務めた。その他の主な出演作に『夜のめぐり逢い』(88)、『僕を愛したふたつの国/ヨーロッパ、ヨーロッパ』(88)、『Ricky リッキー』(09)、『シークレット・オブ・マイ・マザー』(11)などがある。
監督・脚本:アンドレア・パラオロ

1982年、イタリア・トレント生まれ。カリフォルニア美術大学にて映画演出における美術学修士を取得、さらにハンプシャー大学でも映画分野で修士号を取得。2009年のサンダンス映画祭短編部門で正式出品されたショートフィルム「Wunderkammer」(08/未)で監督デビュー。本作は世界各国50以上の映画祭で上映された。
長編デビューはカタリーナ・サンディノ・モレノ(『チェ 28歳の革命』(08)、『チェ 39 別れの手紙』(08))とブライアン・オバーン(『ミリオンダラー・ベイビー』(04))が共演した「Medeas」(13/未)で、第70回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門に正式出品されたほか、第13回マラケシュ国際映画祭で監督賞を受賞、さらに第25回パームスプリングス国際映画祭ではニュー・ボイス/ニュー・ヴィジョン賞を受賞した。
2013年から2015年までは、ニューヨーク州サラトガ・スプリングズにあるアーティスト・イン・レジデンス(芸術家村)であるヤドーで活動。
『ともしび』は長編2作目であり、彼が構想している女性映画三部作の第一作である。第二作は「Monica」(仮題)現在製作中で、トランスジェンダーの女性を描くという。「Monica」の製作では、ジェローム・ファウンデーション(※)の映画製作の助成を受ける予定である。
※「Albert Schweitzer』」(57/未)で第30回アカデミー賞®長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した映画監督ジェローム・ヒルが1964年に設立した映画芸術を助成する基金。設立当初は、エイヴォン・ファウンデーションという名称だったが、彼の死後(1972年)現名称となった。